私がいつも悩んできたこと その1 ゲーム依存、どこまで許せる? 

一日中パソコンやゲーム機の前に座るゲーム・パソコン依存状態。どう声をかけたら良いのでしょうか?放っておけば夜遅くまでずっとパソコン。朝もなかなか起きられず、お昼近くにようやく起きてくる。食事だけ済ますとスグに部屋にこもってゲーム三昧。

本人もツラいのは分かるけれど、こんな状態が続いたらどうなってしまうんだろう…。

これに散々悩んできました。

以前は「ゲーム脳」という言葉がよく使われていたんですよね。

「ゲーム脳」とは、ゲームばかりしていると脳波が痴呆症老人と同じ様になってしまうらしいです。表情も乏しく口数が減って、無気力で何もしたくない状態になる。

こんなことを聞けば、親としては当然焦りますよ。私も「とにかくゲームをやめさせなくちゃ!」と焦り、ゲームが全ての原因!くらいに毛嫌いする毎日でした。

目次

一日中ゲームやパソコンの前にいる状態が続くと…

結論から言います。

10年以上こんなゲーム・パソコン依存状態が続く子どもたちを何人か見てきました。

本人たちは、自信なさげで相手の目も見られないことも多いし、人と接するのは苦手ですが…

私が見る限り

特に大きな問題を感じることはなく

異常を感じるほどの様子はないような…

もちろん人と接する機会が少ないので、社会性には乏しいし、自分から感情を表現することは少ないかもしれないけれど

ゲームによって無気力・無表情になるというのは、ちょっと違うかな?

これについては、私は医学などの専門家ではありませんし、どの場合についても実際にこの目で見てきたことしか書いていません。私の知る事例に関しては、たとえ朝から晩までゲーム三昧の生活を送っていたとしても、以前に感じていたような「ゲーム脳になってしまう」という危機感は杞憂だったなと言うのが実感です。

それよりも大切なのは、

ゲームそのものや依存をいかに止めさせるかではなくて、そうなっている原因を本人目線で考えることです。

ゲーム依存になる原因

私が見ている限り、パソコンやゲームをやり続けるのは次のような理由があるからです。

  • 苦しい現実からの逃避ができる
  • ゲームの中での主人公になったり、オンラインで繋がったりすることで、自分の居場所になる
  • 自分の手で操作し、進展する達成感がある
  • 自分が強くなっていく(成長していく)感覚がある
  • やることや進み具合が分かりやすく、安心感がある

ということは…

彼らは、

苦しい現実の中で、居場所がなく、自分の力ではどうにもできず、何をしていいのか不安である

ということなんですね。

そこから逃れるためにゲームに没頭するわけです。自分の心が壊れてしまうのを必死に防いでいるんです。

そう考えていくと、ゲームを止めさせるという選択肢は無くなりますよね。

居場所がないと思って不安定になり、どうしようもない状況なのに、そこから逃げられる唯一の場所を奪うのですから。

だったらどうしたらいいの!?

このように本人目線で考えていくと、目指すべきなのは【安心できる居場所作り】だということは分かるのですが、朝から晩までゲーム三昧の子を前にして、一体どうすれば良いのか?

ゲーム依存のひどい状態にまでならないにしても、体に良いわけはないし…。

カウンセリングなどで私がよく言われたのが、

ゲームの時間を話し合って決めて守らせる

朝は決まった時間に起こし、生活のリズムを整えさせる

他に興味を持ちそうなものに誘う

これまた結論から言うと、私は3つのどれをやっても長続きせず、ゲーム漬けの日々から脱出させることはできませんでした。まあ、今ならもっと上手くやれたかも?と思うこともあるけれど、私が闇雲にやった結果は…

ゲーム時間の約束を守れないと、さらに自己肯定感を下げてしまう

「朝起きてもやることがない」とだんだん無気力になる

そもそも、落ち着いて興味を持ち続けられるものが他に見つからない

という具合でした。

困り果てた末に…

毎日朝から晩までゲームに没頭する様子に、「パソコンなんて窓から投げ捨ててやる!」と何度思ったことか…。

元々ゲーム嫌いで、電子音的なピコピコする音だけでも苦手な私。

その私が最後にたどり着いた方法は・・・

なんと

ゲームを一緒に楽しむ(努力をする)こと!

最初は、なんとか一緒にゲームをやれないかと考えて挑戦してみました。

しかし目がチカチカするわ、次から次へとわからないことが起きて焦るわ、肩は凝るわ、もうおばさんには全く無理。こんなこと一時間も続けられないわ!と早々にギブアップしました。あまりにゲーム音痴で面白いと子どもたちには受けていましたが…。

ホントにゲーム苦手だわ〜と思いながら、でも「こんな難しいことが上手くできてすごいね!」と褒めたり、「これはどんなふうに進めるの?」とか「面白いね!」などと、分からないなりにもゲームの面白さを理解しようと声をかけるようにしたんですね。

するとだんだん子どもの方から話をしてくれるんです。

「面白いゲーム見つけたよ。これだったらお母さんもやれるんじゃないかな?」→ (私)「そ、そっかな…。」

「今度ゲームの大会があるんだ。よかったら見てみる?」→ (私)「全然わかんないけど…。解説してくれたら少しわかるかも?」

こんな具合に、心を開いていく様子が見えるようになったんです。

誰だって自分が熱中していることをけなされたら、良い気はしませんよね。当たり前なのですが、私はそれにも気づかず、自分が嫌いという理由だけでゲームを全面否定し、止めさせようとばかりしてきたんですね。

「ゲームは悪である」という私の中の一つの思い込みを崩し、相手が好きなものを認めて一緒に楽しもうとすること。

結局はこれが一番効果がありました。

まとめ

まずは【安全な環境、安心できる居場所】を作ること。これにつきますね。

そのためには親が持っている思い込みを今一度振り返り、「本当にそうなのかな?」と自分自身に問いただすことが必要になってきます。

私は頭が硬いのか、「常識」といわれるものに縛られていることが多かったんです。だから、その自分の中の「常識」を破る人を見ると腹が立つという…。

ゲームは今だに好きにはなれないけれど、子どもたちには、「体に異常をきたさない程度に楽しんでね!」と伝えています。パソコンの前にいる時間は激減とは言いませんが、ゲームばかりに没頭する時間は確実に減ってきました。何よりも、表情がぐんと明るくなってきたのが嬉しかったのを覚えています。

今はオンラインで仲間とゲームを楽しむ笑い声が聞こえてくると、本人なりに節度を持ってやっているし、こんな形で全国に友だちができるのも良いかも?と思っています。

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